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住宅資金特別条項とは

 個人民事再生を利用する方のほとんどがマイホームを手放したくないという理由です。

 

「住宅資金特別条項」とは、あなたが今のままでは「住宅ローン」を支払うことが困難だが支払方法等を変更することによりマイホームを所有し続けるために設けられた制度です。

 

この「住宅資金特別条項」は、個人民事再生手続を利用する際に一緒に利用することができます。

 

この場合、「住宅ローン」の支払方法を変更して今後も分割でその全額を支払うことにより、「住宅」の所有を維持することができ、その他の借金については減額させた上で、分割で支払うことができるようになります。

 

 

「住宅資金特別条項」を利用するための主な条件

 

■あなたの名義で住宅を所有していること。(夫婦共有でも可)

 

■あなたの居住の用に供する建物であること。(店舗付き住宅などでも建物の床面積の2分の1以上があなたの居住の用に供されていれば可。)

 

■住宅に「住宅ローン」の抵当権等が設定されていること。(住宅ローンの保証会社の求償権に基づく抵当権等が設定されている場合も可。)

 

■住宅に「住宅ローン」以外の抵当権等が設定されていないこと。

 

■あなたが住宅以外の不動産を所有している場合、その不動産に住宅と共同して「住宅ローン」の抵当権等が設定されている場合には、住宅以外の不動産についても「住宅ローン」の抵当権等より後順位の抵当権等が設定されていないこと。

 

■あなたに代わり保証会社が「住宅ローン」について既に金融機関に代位弁済をしていた場合には、代位弁済がなされた日から「6ヶ月」を経過する日までの間に個人民事再生の「申立て」をしていること。

「住宅資金特別条項」を利用した場合には、「住宅ローン」の支払方法を以下のとおりに変更できるようになります。

 

期限の利益回復型

 

これは、「住宅ローン」の支払いを延滞しており「一括」で「住宅ローン」の全額を支払わなければならない場合に、再度「分割」で支払うことを認めてもらい、当初の約定の最終支払期日までに住宅ローンの全額(元本・利息・損害金の全て)を支払うようにする変更方法です。

 

 

弁済期間延長型

 

これは、「期限の利益回復型」による変更では「住宅ローン」の全額を支払えない場合に、最終支払期日を当初の約定の日から延長して支払期間を延ばすことによって、「住宅ローン」の毎月の返済額を減額させる変更方法です。

 

この方法は変更後の最終支払期日におけるあなたの年齢が70歳を超えない範囲で、最終支払期日を当初の約定の日から10年間まで延長させることができます。

 

 

元本据置型

 

これは、「弁済期間延長型」による変更でも「住宅ローン」の全額を支払えない場合に、支払期間の延長に加えて、「住宅ローン」以外の債務を返済している期間に限り、元本部分の一部と利息のみの支払いをすることによって、その期間内の「住宅ローン」の毎回の返済額を減額させる変更方法です。

 

そして、「住宅ローン」以外の債務の返済が終了した後に「住宅ローン」の返済額を増額させることによって、住宅ローンの全額を完済させる方法です。

 

いずれの変更方法を利用したとしても、「住宅ローン」の全額(元本・利息・損害金の全て)は支払わなければならず、減額させることはできません。但し、「住宅資金特別条項」が利用された場合に権利の変更を受ける者(住宅ローン会社など)の「同意」がある場合には、「最終支払期日を当初の約定の日から10年間を超えて延長すること」「遅延損害金を免除してもらうこと」などの返済方法を変更することができます。

 

ちなみに、「住宅資金特別条項」は「住宅ローンの返済方法を変更することにより、その全額の返済を可能にさせること」を目的とする制度ですが、住宅ローンの返済方法を変更することなく、当初の契約どおりにその全額を支払うこと」を内容とする形でも利用することができます。

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